2012年5月20日 (日)

魔術/美術@愛知県美術館

愛知、岐阜、三重の3県立美術館協同企画展の第6弾。魔術をテーマとした展覧会、略してマジュビジュだそうです(笑)。

そもそも美術には魔術的な側面があります。今回はそんな作品を3つの県立美術館から集めました。出品数は148点、一部個人蔵の作品が加わります。

展示は3章構成ですが、イントロとして3点の作品がまず展示されます。野村仁《励起する真空》、室町時代の《能面 増女》、そしてダリ《パッラーディオのタリア柱廊》。なかなか印象的なつかみです。

第1章「知覚の操作と謎かけ」。だまし絵をテーマに、エッシャー、金昌烈、杉本博司ら。遠近法をテーマに伊藤利彦やパオリーニなど。

第2章「現実を越える想像力」。マッソンの版画やアーヴィング・ペンの写真、さらには木村定三コレクションの呪術的な道具などが一堂に会する展示は見応えあり。魔方陣をテーマにデューラーや長谷川潔、そして宮島達男《Opposite Circles》が現代の魔方陣として展示されます。世紀末の版画としてブレスダン、ルドン、アンソール、メリヨン。日本も負けてはいません。中村岳陵、谷中安規が独特の世界を見せつけます。

一気に展示空間が広がって第3章「現代の魔法使いたち」。現代アートから黄金比をテーマに岡崎乾二郎、諏訪直樹。そして中澤英明〈子供の顔〉。同館所蔵作品と作家蔵の作品を合わせて6点が並びます。久々にこれだけの勢ぞろいを観ました。最後はさわひらき《Going Places Sitting Down》。魔術的な映像作品で締めくくられます。

3県立美術館協同企画ということで、常設展に近い内容ではありましたが、魔術という魅力的なテーマということもあって、けっこう人が入っているようです。2008年のタイムスケープあたりとけっこう被っている感じはありましたが、なかなか楽しめました。やはりおなじみの作品を使って構成する展覧会なので、こうなんと言うか、いろいろ余裕が感じられますね。

常設展では展示室4でレジェ《緑の背景のコンポジション(葉のあるコンポジション)》が初公開。昨年度、2億円で購入した新収蔵作品です。

展示室6はテーマ展、吉本直子 Reflection Space―鼓動の庭。今年度からスタートしたテーマ展プロジェクト、ARCHの第1弾。テーマ展恒例のパンフレットもしっかり用意されています。吉本直子は古着の白シャツを糊で固めて圧縮してオブジェを創りあげます。作品はロビーなどにも展示。袖が水平に伸びた《白の棺》が印象的でした。ARCHプロジェクトは、今年度は企画展に合わせて第5弾まで予定されているとのこと。こちらも楽しみです。

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魔術/美術 幻視の技術と内なる異界
愛知県美術館
2012年4月13日―6月24日

吉本直子 Reflection Space―鼓動の庭
2012年4月13日―6月24日

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2012年5月18日 (金)

月刊あんかけスパゲッティ 
カフェボウル

守山区は大永寺にあるカフェ。大永寺の交差点を東南に入った住宅地の中という目立たない場所にありますが、欧風のとてもおシャレなお店です。駐車場はお店が入るマンションの南にテナント共用で4台分。

隣の旅行代理店とは店内でつながっており、一緒に経営しているという変り種。土曜日が定休日というのもちょっと珍しい。あんかけスパは9種類。他にはサンドイッチやトースト系がウリで、平日のランチではスパとサンドイッチなどのセットが設定されています。

ミラカン相当メニューは、ソーセージベジタブルというとことんそのままのネーミング。野菜にはキャベツも入っています。肉はベーコンやハムは入っておらず、ソーセージのみ。

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ソーセージベジタブル 750円

キャベツベーコンは大きめにカットされたキャベツが良。鰹節とのりの香りもそそられます。

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キャベツベーコン 750円

写真のとおり、細長いお皿で提供されます。標準はM(300g)ですがちょっと少なめに感じます。L(400g)が100円増、LL(500g)が200円増、S(200g)は50円引になります。

ソースは黒胡椒片がはっきりのピリっとした辛さ。しかし、甘みもあってかなりのレベルです。麺もふっくらもっちりの太麺でとても美味しいと思います。

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カフェボウル
守山区永森町342

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2012年5月13日 (日)

高根山・山星山

快晴の一日。足慣らしの足慣らしで定光寺近くの東海自然歩道を歩きます。途中にあるピークは高根山、山星山という立派な名前が付いています。

定光寺公園の駐車場に駐車。公園沿いの道路の脇から東海自然歩道に入ります。まずは階段登り。正伝山というピークがあるようですが、どこかも分からないうちに一旦道路を横断します。

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定光寺公園第3駐車場

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定光寺公園脇の東海自然歩道入口

再び自然歩道に入ります。自然歩道が大きくヘアピンカーブのように曲がるところでも道路と接続します。見上げるような階段を登り詰めたところが高根山(253m)。東屋がありますが、立ち止まった程度で通過。

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高根山への階段

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高根山山頂

また道路を横断。閉館した愛知県労働者研修センターの前を通りますが、自然歩道の案内は常に出ていますので迷うことはありません。三度、自然歩道へ。交差する県道207号は橋で横断します。

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労働者研修センターの前を通る

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犬洞峠の橋

少し登り返した後はしばらく緩やかな山頂部の歩きとなります。まだかまだかとけっこう歩いたところでベンチのある広場になり山星山(327m)となります。日が照ってちょっと汗ばむくらい。ベンチに座って少し休憩します。

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猿投山

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山星山山頂

宮刈峠に向かって下りていきますが、まだ登りがあったりしてアップダウンに富んだけっこう歩き応えのある道です。宮刈峠はこの東海自然歩道と林道、さらにこれから県道に向かって下りていく道が交差する五差路になっています。

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東海自然歩道を行く

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宮刈峠

東海自然歩道を外れ、宮刈峠からは下る一方。途中、満々と水を湛えた宮刈池という池があります。池から先は沢沿いの道となりせせらぎを聞きながら下りてきますが、あっという間に舗装道に出てしまい、山歩きも終わりになります。

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宮刈池

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舗装道に出る

県道205号に出て、定光寺公園に戻ります。名刹、定光寺にも立ち寄りましょう。165段という石段が堪えます。本堂は重要文化財。隣接する源敬公廟は尾張徳川家初代義直の廟所で、こちらも重要文化財に指定されています。しかしこちらは、門や焼香殿などの建物が、保護するための建物の中に入れられており風情が台無し。ちょっとがっかりでした。

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定光寺本堂

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正伝池から山星山

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定光寺公園駐車場[9:10]―高根山[9:50]―大洞峠[10:25]―山星山[10:45/10:55]―宮刈峠[11:15]―定光寺公園駐車場[11:45]

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2012年5月 6日 (日)

巨匠たちの英国水彩画展@岡崎市美術博物館

昼下がりの雷雨がウソのようにすっきりと晴れ上がりました。岡崎市美術博物館の手前の建物はレストラン、セレーノです。

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イギリス、マンチェスター大学ウィットワース美術館所蔵作品による水彩画の展覧会。同館を皮切りに島根県立石見美術館、Bunkamura ザ・ミュージアム、新潟県立万代島美術館を巡回します。

水彩画の展覧会というとパッとしない感じもしますが、イギリスでは18世紀以降広く普及し、確固たる地位を築いている絵画様式。ウィットワース美術館はその水彩画のコレクションで有名な美術館です。大規模な改修計画に伴い157点もの所蔵作品が日本にやって来ました。脆く褪色しやすい水彩画がこれだけ長期にわたり一括して展示される機会は稀と思われます。

展示はジャンル別に8章構成。前半の第1~3章は美しいながらも退屈な風景画が並び、なんだかなという感じではあります。ちょっと気になったのはスペインの街の喧騒が伝わるルイス《闘牛開催日のグラナダ近郊》、珍しいスフィンクスが題材の夕日が美しいロバーツ《カリフの霊廟、カイロ、エジプト》くらい。いずれも耳慣れない画家たちです。

展示室が広くなり第4章になると一気に見応えが増します。このセクションはターナーのみで構成され、なんと初期から晩年まで24点もの作品が揃います。もはやプチ・ターナー展と言ってもいい展示。印象的なのはやはり後半。《ヴェネツィア―大運河の入口からサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会を望む》は典型的なターナーのけぶる光景。スイス、ルツェルン湖を描いた作品も淡いのに鮮やかな色彩が美しい。

幻想がテーマの第5章とラファエル前派の第6章は個人的には一番の見応え。ブレイク《日の老いたる者》は余りにも有名なイメージ。マーティン《マンフレッドとアルプスの魔女》はバイロンの詩劇による作品。ファンタジー的でとても美しい作品です。ミレイ、ロセッティもこれぞといった作品が並びます。

第7章は近代、第8章は自然観察の試みがテーマと言っていいでしょうか。コープ《黒板をもつ少女》は凛とした美しさ。最後は再びターナーが2点来て締めとなります。

思っていたよりもずっと充実した内容でかなり長居してしまいました。真っ当な展覧会名でかえって損をしている企画かも。商業的にはターナーの名前などをもっと前面に出したほうが良かったかもしれません。それよりも首をかしげるような名前の展覧会は掃いて捨てるほどありますから。

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マンチェスター大学ウィットワース美術館所蔵 巨匠たちの英国水彩画展
岡崎市美術博物館
2012年4月7日―6月24日

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2012年5月 5日 (土)

加藤久仁生展@刈谷市美術館

新緑とツツジが美しい刈谷市美術館に来ました。

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「つみきのいえ」でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した加藤久仁生の展覧会。同館が得意としている分野ですね。十和田市現代美術館、八王子市夢美術館、刈谷市美術館、長島美術館(鹿児島市)を巡回します。

「つみきのいえ」が中心の構成。脚本、アイデア・スケッチ、絵コンテ、背景画などが展示されます。本編の動画は2階の展示室で上映。海に沈む街に暮らす老人の12分3秒の物語です。積み木のように家を積み上げて暮らすという設定が秀逸。音楽はどこかで聞いたようなフレーズがちょこちょこ入って気になりますが。

当初の脚本を見ると、諦めて街を去る隣人や退去勧告に来る役人なども登場しているんですね。第1稿では老人が気球を作って家ごと街を去るというエンディングだったそうです。すっきりと分かりやすい物語になっている完成作やはりいい出来だと思います。

この展覧会のために制作されている新作「情景」は全7話のオムニバス。1話は約1分の短編で、十和田で3話、八王子で2話が公開され、この刈谷で最新作の第6話が5月3日に公開されました。絵画で言えばスケッチのような感じのラフなアニメーションで、全7話といいつつ完結することのないライフワークのような位置付けとのこと。面白いのは音楽が映像とは別に制作され、ランダムに組み合わされていること。展示室では6話×2とおりの音楽で連続上映されます。

アカデミー賞でさすがに話題になりましたが、そもそも「つみきのいえ」は内外のアニメーション賞を総なめと言っていいくらい受賞した秀作。今回、本編はもちろん制作過程などたっぷりと楽しめたのは収穫でした。家具デザイナー、小泉誠により同作をイメージして制作された木製の展示ケースや解説パネルなどもいい味を出していました。

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加藤久仁生展
刈谷市美術館
2012年4月21日―6月3日

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2012年5月 4日 (金)

北斎展@松坂屋美術館

松坂屋美術館の北斎展です。

ちょうど時を同じくして京都や東京を巡回しているホノルル美術館の所蔵作品展とは別の展覧会で、どちらも「生誕250周年記念」(北斎は1760年生)を謳っていることもあり非常に紛らわしいところではありますが、こちらは津和野の葛飾北斎美術館の所蔵作品を主体とした企画会社による展覧会です。

出品数153点とボリュームはけっこうあり、〈冨嶽三十六景〉18点を始めとして揃物もまずまずですが、作品の質は微妙なところかもしれません。《東海道名所一覧》や《唐土名所之絵》といった鳥瞰図的な作品はちょっと見入ってしまうものがあります。

肉筆画が29点というのはなかなか頑張っています。半数は個人蔵。制作順に並んでおり、前半はこれといったものはありませんが、終盤の《雲龍図》や《文昌星図》、《月見る虎図》、《赤壁の曹操図》などは秀逸な出来。いずれも80歳代の作品です。北斎は『富嶽百景』に「70歳までに描いたものは取るに足らぬものばかりである。」と書いたそうですが、こうしてみるとそれもむべなるかなといった感じではあります。

『北斎漫画』は刊行された全15冊全てが並びます。『北斎漫画』は文化9年(1812年)に北斎が名古屋に滞在して描いた300点余りの下絵を版元が出版したのが始まりという、名古屋とは極めて縁の深い作品。生誕250周年は2年ほどずれてしまっていますが、来名200年はまさに今年でぴったり。内容はそこそこですが、時宜ある展覧会ではあります。

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生誕250周年記念 北斎展
松坂屋美術館
2012年4月28日―5月22日

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2012年4月30日 (月)

田渕俊夫展@メナード美術館

昨日の名古屋市美術館に引き続き、今日はメナード美術館の田渕俊夫展。こちらは「技のひみつ」というサブタイトルが付き、日本画の画材や技法に着目した構成となっています。

いきなり展示室1にはメナード美術館を描いた《小牧心象・祥雲》。画家は1987年の同館の開会式典に参加、同館はこれまで1990年と2002年に画家の展覧会を開催と、非常に密接な関係にあります。

さて、小さなメナード美術館ゆえ出品数は37点と多くはありませんが、その制作過程に迫る展示は見応え十分です。「色彩と線」では緑青や群青など実物の顔料も展示され、昨日とはまた違った視点で作品に向き合うことになります。日光東照宮由来の朱の顔料など、そのもの自体の鮮やかさにも目を奪われます。「屏風と制作過程」では大下図を作らず、OHPを用いて大画面の制作を行っていたという製作過程も紹介。

作品で印象に残ったのは《白馬雪景》。白馬のふもとの雰囲気がよく出ています。《刻》は昨日観た名古屋市公館所蔵作品の別ヴァージョン。信号が青です(笑)。《夕想》の墨のにじみも目を引きます。田渕はにじみ止めの礬砂(どうさ)を用いずに水墨画を描いていました。《バレリーナI》はロシアのバレリーナを描いた同展のメインイメージ。本物を観るまでは日本人を描いたものだと思っていましたよ。

同じ田渕俊夫展でありながら、昨日と今日、異なる視点で楽しませてもらいました。やはり日本画をじっくり鑑賞するのはいいものです。お金がかかる芸術だなとも思いましたが(笑)。

展示室5はコレクション・コーナー、いわゆる常設展となっています。同館の西洋絵画の名作を紹介。モネやルノワールなどメナード美術館はやっぱりいい作品を持っていますね。ゴッホ《一日の終わり(ミレーによる)》は最晩年、サン=レミ時代の傑作です。

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田渕俊夫展 技のひみつ
メナード美術館
2012年4月7日―6月17日

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2012年4月29日 (日)

田渕俊夫展@名古屋市美術館

日本美術院の画家、田渕俊夫の展覧会が名古屋市美術館とメナード美術館の2館で同時期に開催されています。今日と明日、2日連続で楽しんでいきます。

まずは「いのちの煌き」というサブタイトルが冠された名古屋市美術館。こちらは巡回展で同館を皮切りに渋谷区立松濤美術館、富山県水墨美術館、福島県立美術館を巡回。総出品数は60点、同館では51点を展示。

展示は4章構成。I「田渕様式の萌芽 1966-1969」ということで1969年の《水》から始まります。東京都江戸川区生まれの田渕が江戸川を描いた作品。後年の作品とはずいぶん感じが違います。

II「開花・充実期 1970-1984」。1970年に愛知県立芸術大学に助手として赴任。自然豊かな長久手の草花を描いた作品や、この地方の風景画が並びます。《輪中の村》や《濃尾平野》など木曽三川地域を題材にした作品が印象的。《濃尾三川》の出来には目を瞠ります。

III「発展・拡張期 1985-2000」。2001年、東京藝術大学の助教授に就任。海外に取材した作品が多くなります。中国の天山山脈を描いた《天山》、インドのタージ・マハルを描いた《インド想 霧》などの出来が秀逸。ベトナムでのバイクの雑踏を描いた《時の証人II》の表現は日本画離れしており、まるで現代アートのようです。

国内では黒部峡谷に取材した作品が印象的。黒部ダムを描いた《放水》の迫力など見事です。《刻》は名古屋の都心を描いた作品。市公館への展示のために依頼された作品です。《流転》は庭のあさがおの一生を一つの画面に納めた代表作。2階の最後には同タイトルのすすきヴァージョンも展示。

IV「水墨画、障壁画への挑戦 2001-」。21世紀に入り水墨画に挑戦。永平寺や鶴岡八幡宮など寺院の障壁画も多く手がけます。《爛漫》に描かれる墨の桜が見事。白と黒でしか描かれていないはずなのに色が感じられます。2階には、この展覧会のために制作された新作《惶I》と《惶II》。東日本大震災を受けて命の煌きを描いたという作品です。

1点1点全ての作品のキャプションとして画家のコメントが付きます。過去の展覧会からの再録も多いですが、一部は書き下ろし。メナード美術館の所蔵作品も数点展示されているのは意外な感じ。こちらの展示内容の方がより適しているとの判断でしょうか。それだけの余裕があると覗うこともでき、明日のメナード美術館も楽しみになってきます。

思ったより人出があったというのが率直な感想。もっとガラガラかと思っていたので。愛知県立芸術大学で教鞭を執っていたこともあり、ゆかりのある方も多いのでしょう。半分、公募展的なノリもあるでしょう。

地階の常設展示室3はテーマ展、荒川修作の"MISTAKE"。一昨年亡くなった荒川の図式絵画7点を展示。5点は新たに寄託されたものとのこと。しかし、荒川の作品は相変わらず理解できません。屁理屈もいい加減にしてほしいと思うような作品ばかりが並びます。

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いのちの煌めき 田渕俊夫展
名古屋市美術館
2012年4月7日―5月20日

荒川修作の"MISTAKE"
2012年4月1日―5月20日

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2012年4月22日 (日)

ジェームズ・アンソール@豊田市美術館

仮面と骸骨の画家、アンソールの展覧会。豊田市美術館も気合を入れてこのディスプレイです。

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同館では珍しいマスコミ主催の巡回展です。豊田を皮切りに愛媛、東京、岩手、岡山を巡回。東京展は損保ジャパン東郷青児美術館で開催。

アンソール展といえば、2005年に三重県立美術館ほかで開催された展覧会がいまだ記憶に新しいところです。アントワープ王立美術館、オステンド市立美術館などからアンソール作品146点を集めた充実の内容でした。

今回は、改修工事中のアントワープ王立美術館のみからの出品。アンソールが影響を受けたベルギー印象派から17世紀絵画まで出品されているのはいいのですが、アンソール作品は50点余りとちょっと少なめ。総出品数は138点。素描、版画作品が会場により一部不出品になっており、豊田展はアンソール52点、出品数108点。

展示は大きく2部に分かれます。1「写実と反アカデミズム」は6つの小セクションに分けられ、美術アカデミー時代の初期作品、風景画や静物画、風俗画などを展示。アンソールの作品も平凡なものが多い印象です。目を引くのはサロンに拒否され話題になったという《牡蠣を食べる女》、2005年展にも来ていた《扇子を持つ夫人》。ともに1-5、風俗画のセクション。前者は207×150cmの大作です。

2「グロテスク絵画に向けて」でいよいよアンソールの仮面と骸骨の世界が展開されます。版画や素描が展示される2-1~4の細く暗い部屋を抜けると、目の前に一気に広がるアンソールワールド。この演出はなかなかです。最大の目玉はアントワープ王立美術館が誇る傑作《陰謀》、そして同館のみの特別出品となるメナード美術館の《仮面の中の自画像》。アンソールの代表作といえばこの2点が間違いなく双璧でしょう。特に後者が身近な県内の美術館に所蔵されていることは本当に驚きです。

作品の数や内容的にアンソール展と言ってしまうのはちょっと苦しいところかなという感じですが、2つの代表作には惹き込まれまくりでした。

テーマ展もなく、展示室1~7まで単純な常設展という展示内容はいつ以来か分からないくらい久しぶりです。展示室1~2は日本の前衛。展示室3にはフォンタナの3点の《空間概念》が揃います。

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フォンタナ《空間概念》(3点とも)

展示室4はアルマンらヌーヴォー・レアリスム、そしてクリムト、シーレ、マグリット、ダリら。展示室5は村瀬恭子、法貴信也ら日本の現代絵画。写真は展示室4の最後のスペース。正面にベーコン《スフィンクス》、両サイドはデ・クーニングとデュビュッフェ。

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ベーコン《スフィンクス》(正面)

こんな感じの常設展、以前はよくあったような気がします。特に展示室4あたりの雰囲気、クリムトあたりは大体ここにいることが多かったですからね。懐かしい感じもしますが、毎回これでもかと魅せてくれる同館の充実振りからすると、今回はちょっと物足りない気もしました。

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アントワープ王立美術館所蔵
ジェームズ・アンソール 写実と幻想の系譜
豊田市美術館
2012年4月14日―6月17日

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2012年4月18日 (水)

月刊あんかけスパゲッティ 
ミラノ

春日井市は出川町にあるあんかけスパゲッティ専門店。以前は、オムライスで有名なロマンドールというお店だったそうですが、昨秋にあんかけスパ専門店としてリニューアルオープンしたとのこと。

定休日は不定休となっていますが、土日はだいたいやっているようです。駐車場はお店の脇に4台分、少し南の月極駐車場にさらに4台分あり。店内はカントリー調のレストランといった感じで、あんかけスパのお店とは思えない雰囲気。お昼時には地元のお客さんでよく賑わっています。

ミラノのミラカンです。具材は標準的ですがちょっと物足りない感じ。もっとたっぷりがいいなぁ。

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ミラカン 870円

刻みゆで卵の一見、最安価メニューのようなミラノですが、実はミラカンと同価格帯のメニューになっています。ウインナーのほかにベーコンも入って確かにちょっとゴージャス。

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ミラノ 870円

ボリュームはS(200g)、M(300g)、L(400g)の3種類があり、それぞれ100円ずつの増減となっています。写真はいずれもMサイズ。

ソースは甘みが前面といった感じで、辛さは控えめにほんのり。全体としてやさしくおとなしめの仕上がりで、もう少しパンチが欲しいと思う人もいるかもしれませんが、こういう味わいが好みの人も確かにいるでしょう。お店の雰囲気にあった女性的な味とも言えます。

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ミラノ
春日井市出川町八丁目15-5

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