魔術/美術@愛知県美術館
愛知、岐阜、三重の3県立美術館協同企画展の第6弾。魔術をテーマとした展覧会、略してマジュビジュだそうです(笑)。
そもそも美術には魔術的な側面があります。今回はそんな作品を3つの県立美術館から集めました。出品数は148点、一部個人蔵の作品が加わります。
展示は3章構成ですが、イントロとして3点の作品がまず展示されます。野村仁《励起する真空》、室町時代の《能面 増女》、そしてダリ《パッラーディオのタリア柱廊》。なかなか印象的なつかみです。
第1章「知覚の操作と謎かけ」。だまし絵をテーマに、エッシャー、金昌烈、杉本博司ら。遠近法をテーマに伊藤利彦やパオリーニなど。
第2章「現実を越える想像力」。マッソンの版画やアーヴィング・ペンの写真、さらには木村定三コレクションの呪術的な道具などが一堂に会する展示は見応えあり。魔方陣をテーマにデューラーや長谷川潔、そして宮島達男《Opposite Circles》が現代の魔方陣として展示されます。世紀末の版画としてブレスダン、ルドン、アンソール、メリヨン。日本も負けてはいません。中村岳陵、谷中安規が独特の世界を見せつけます。
一気に展示空間が広がって第3章「現代の魔法使いたち」。現代アートから黄金比をテーマに岡崎乾二郎、諏訪直樹。そして中澤英明〈子供の顔〉。同館所蔵作品と作家蔵の作品を合わせて6点が並びます。久々にこれだけの勢ぞろいを観ました。最後はさわひらき《Going Places Sitting Down》。魔術的な映像作品で締めくくられます。
3県立美術館協同企画ということで、常設展に近い内容ではありましたが、魔術という魅力的なテーマということもあって、けっこう人が入っているようです。2008年のタイムスケープあたりとけっこう被っている感じはありましたが、なかなか楽しめました。やはりおなじみの作品を使って構成する展覧会なので、こうなんと言うか、いろいろ余裕が感じられますね。
常設展では展示室4でレジェ《緑の背景のコンポジション(葉のあるコンポジション)》が初公開。昨年度、2億円で購入した新収蔵作品です。
展示室6はテーマ展、吉本直子 Reflection Space―鼓動の庭。今年度からスタートしたテーマ展プロジェクト、ARCHの第1弾。テーマ展恒例のパンフレットもしっかり用意されています。吉本直子は古着の白シャツを糊で固めて圧縮してオブジェを創りあげます。作品はロビーなどにも展示。袖が水平に伸びた《白の棺》が印象的でした。ARCHプロジェクトは、今年度は企画展に合わせて第5弾まで予定されているとのこと。こちらも楽しみです。
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魔術/美術 幻視の技術と内なる異界
愛知県美術館
2012年4月13日―6月24日
吉本直子 Reflection Space―鼓動の庭
2012年4月13日―6月24日
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